“President”がいつも「大統領」とは限らない(2)〜 機械翻訳で

NHKの「EU ミシェル大統領」報道に端を発した話の続きです。前段ではEUでPresidentと呼ばれる人々について説明しましたが、今度は「機械翻訳にかけたらどうなるか?」というテストです。

 

機械翻訳にかけてみると?

最近はニューラルネットワーク型の無料オンライン機械翻訳サービスが増え、精度が上がったと評判になっています。そこで、Google翻訳、DeepL、みらい翻訳の3つがEUのプレジデントたちをどう処理するか、見てみることにしました。

機関・役職名

まず、European Council、Euroepan Commission、European Parliamentの3つの機関について、Presidentという役職が正しく訳し分けられているかチェックしてみます。

 

どれも正解です。機関名と役職をセットにした対訳データで学んでいるのでしょう。

現職者名

次にそれぞれの役職についている人の名前と組み合わせてみます。

大統領になったり社長になったりで、正解はゼロ。また、名前が英語読み表記になっているケースもありますね。原文の言語検出がドイツ語になっているものがあるのは、von derという部分から判断しているのでしょう。手動で英語に切り替えても結果は変わりませんでした。この3人の人名をそれぞれの役職と結びつけたデータは読み込ませていないということでしょうか。それにしても、存在感が薄い(失礼!)サッソーリ議長はともかく、EUの顔とも言うべき存在で、名前もありきたりではないフォン・デア・ライエン委員長の役職を、ドイツ発のDeepLすら誤訳してしまうというのはちょっと情けないですね。

 

前任者名

EUでは昨年議会選挙が行われ、役職者が一斉交代しました。もしかして、まだみんな着任してから比較的日が浅いからデータがないのかな?と思い、今度はそれぞれの役職の前任者の名前で試してみました。

しかしこちらも大統領と社長になってしまいました。

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