ISO 17100規格については日本の方が大きな話題になっていて、英国ではあまり情報を見ないのですが、英国翻訳会社協会(ATC)がウェビナーを開催すると聞き、受講しました。全体としてはISO 17100認証取得を考えている翻訳会社や個人翻訳者のための内容でしたが、私は個人的に関心があった「欧州規格EN 15038との差異」という点に注目して聞きました。後日きちんとまとめたいと思いますが、とりあえずツイッターでメモした内容を1か所にまとめておきます。
.@atc_translation のISO 17100ウェビナーを受講中。ATCは英国の翻訳会社協会。すでにEN規格認証済み会社からの参加者が1/3くらい? https://t.co/4QqhJmF4q7
— WayToJapan翻訳 (@WayToJapanTrans) February 11, 2016
10年前に施行されたEN 15038は、約3,000社ほどが認証済みとのこと?そんなにあるの?聞き間違いってことないよね?
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(そもそも欧州に翻訳会社がどのくらいあるのか、母数を知らないからなあ…)
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出たー、QCチェックリスト(笑)
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Competenceの定義がEN 15038と微妙に違うのね。"Translating competence"を外して"Domain competence"というのが入ってる。Qualification要件は変わらず。
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Qualificationsの部についてはNotesがついているらしい。「経験5年」は必ずしもフルタイム翻訳経験ではなく「同等の経験」でもOKとか。規格制定プロセスでも論議が熱かった部分なので、今後改訂される可能性もありと。
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経験についてはA社から請け負った翻訳がxxワード、B社からはxxワード…みたいな形を想定している様子。確認可能な形でないといけないので、履歴書はダメ。
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監査プロセス自体はそれほど時間がかからないが、もちろん最初に認証を受けるための準備には労力がかかる。着手前に事前監査を実施するサービスもあるけど、監査員さんによれば、「特に必要とは思わない」と(笑)
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監査員さんによると、たいていのLSPはすでに何らかのプロジェクト管理システムを使っているので、認証準備としては規格の規定にある内容をそのシステムでやっていることを明示化するという手順になる。ので、そんなに面倒じゃないよ―と。
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面倒なのはやっぱり「翻訳者の資格(経験年数)」の確認の部分だとのこと。
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肝心なところでネット接続が落ちるなど…orz 復旧しました。
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普及については、大企業や公的機関が入札条件としてISO 9001に代わってISO 17100認証を考慮/要求する動きが出ており、ATC等の業界団体でも、業界の地位向上のため積極的に認証を奨励している様子。欧州では廃止されたENからの切り替え組も多いだろうから普及が進みそう。
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ISO認証済み翻訳会社が他の翻訳会社を下請けに使う場合には、「EN 13058またはISO 17100の認証済みまたは規格の内容に準拠するプロセスを使っている」という自己宣言を出させるのが普通とのこと。これも普及が進む要因になるよな…。
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EN 15038導入時のEUの姿勢は「ENを必須としてしまうととても需要を賄いきれないので必須にはしないが、認証済み会社と未認証会社が入札に参加した場合、多少コストが高くても認証済み会社を優先する」だったそうで、ISOも同様な扱いになるんでないかと。
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ISOの通訳規格制定という動きもあるのか…。ENは通訳規格あったっけ?
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メモ:
・翻訳者の資格について、「ネイティブスピーカーでなければならない」という規定はない。言語コンビネーションによってはこれがあると認証不可能なので。
・ITI会員資格など認定試験のある資格でも、ISO認証では(今のところ)認められていない。
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ウェビナー終了。第2部は3月10日。
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