ツイッターの翻訳クラスタTLで流れてきたブログ記事が興味深かったのでここで紹介します。
: “長岡京市、「一時停止」は「1:00 に停止」か – naked_translator のブログ” 興味深い。 @nagaokakyo_city http://t.co/SCKHByQMHM
— Terry Saito / 齊藤貴昭 (@terrysaito) August 28, 2013
リンク先は「naked_translator のブログ」というブログ。書いているのはichininosantaroさんという方のようです。
アーカイブを見てみると、他にも自治体のサイトに登場する怪しい英訳の数々が紹介されています。
ホームページの多言語化に自動翻訳システムを採用する自治体が増えていることは、例の東北博サイト誤訳騒ぎが話題になっていた頃から指摘されていました。その騒ぎの当事者だった会社を始めJTF(日本翻訳連盟)の法人会員である会社も含めて各社で自治体や観光協会などにこの手のシステムを積極的に売り込んでいるようです。
この手のシステムではEnglishボタンをクリックするとまず「機械翻訳だから正確さは保証できませんよ」という注意書きページに誘導され、それをOKしないと英語ページに入れないというのがお約束になっているようで、上のブログ記事で取り上げられている長岡京市ホームページでもそうなっています。
実際には正確さの問題は固有名詞に限ったことではないわけで、上のブログ記事で取り上げられているケースはこういうシステムで起きがちな誤訳の典型です。不正確な情報を垂れ流す自動翻訳システムの問題については、東北博サイトについてのブログ記事で書いたのでここでは繰り返しませんが、こういうシステムの導入が増えているのは、ユーザー側の視点から見ると実に困った風潮。
安易に自動翻訳システムを導入して「うちは国際化にちゃんと対応している」と思い込んでいる自治体には、「naked_translator のブログ」で取り上げられている誤訳の実例を見て反省してほしいものです。
繰り返さないと書いたけど、やっぱり繰り返しておきましょうかね。
自動翻訳が垂れ流す、正確かどうかの保証もできない「なんちゃって英語文」は、情報ではなくてただのノイズです。ノイズが多ければ多いほど、情報は探しにくくなるのです。
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