2023年12月11日付で、以下の4団体から注意喚起の共同声明が発表されました。
- 特定非営利活動法人 日本翻訳者協会(JAT) https://jat.org/news/%E3%81%8A%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%9B
- 一般社団法人 日本翻訳連盟(JTF) https://www.jtf.jp/pdf/20231211.pdf
- 一般社団法人 日本会議通訳者協会(JACI) https://www.japan-interpreters.org/news/sagimagai2023/
- 一般社団法人 アジア太平洋機械翻訳協会(AAMT) https://aamt.info/wp-content/uploads/2023/12/%E3%81%8A%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%9B_20231211.pdf
(どのリンクも文面は同じです。)
ここ数年日本では、主にLINEを使って「英語力がなくても翻訳家になって高収入を得られる」などと宣伝する翻訳スクールが問題になっていました。中には履歴詐称や翻訳トライアルの不正といった手口を指導する悪質なケースもありました。また、高額講座なのに内容がひどすぎると受講料の返金を申し込んでも無理な解約条件を課されて泣き寝入りした受講生も続出するなどトラブルも多く、私も含め多くの翻訳者がソーシャルメディアなどを通じて問題喚起してきました。
さらに最近は、生成AIブームに便乗して「AI翻訳なら出てきた和訳文のてにをはを直すだけ、語学力は不要」などと謳う講座も登場し、また被害が広がっています。機械翻訳の導入は実際に翻訳業界でも進んでいますが、声明にもあるように、こうした講座が教える内容は現実とはかけ離れています。
今回の共同声明は、こうした問題を受けて広く注意を喚起するために発表されました。日本の翻訳業界関連団体が連名で声明を発表するのは異例のことです。業界全体で対応する姿勢を示したことを歓迎したいと思います。この記事を読んだ方も、情報の拡散にご協力いただけると嬉しいです。