去年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの影響で、講習会やワークショップなど人が集まるイベントが開催できない状況の中、多くのイベントがキャンセルされました。在宅フリーランス翻訳という仕事は受注から納品後のアフターケアまで含め、原則すべてがオンラインで完結するため、仕事関係で人と会うことは滅多にありません。そのため同業者が集まるイベントはごく限られた顔合わせ交流の機会であり、それがなくなってしまったのは残念でした。
しかし、オンライン開催に移行したイベントも多かったので、逆に通常なら時間や旅費の都合で参加が難しい難しいイベントにも気軽に参加できるという利点もありました。私も翻訳関係・サステナビリティ関係のウェビナーに積極的に参加するようにしました。
特に8月には50を超えるセッションのある大型イベント「日本通訳翻訳フォーラム2020(JITF2020)」に参加したのですが、全部聴講するとかなりの時間がかかります。そこで、「トレッドミルで歩きながらウェビナーに参加したら運動と勉強を両立できて効率的なのでは?」とふと思いつきました。実はかなり前から、仕事部屋にもデスク用のトレッドミルを置いて歩きながら仕事をするのも良いかなあと考えていたのですが、ウェビナー視聴ならすでに我が家にあるランニング用のトレッドミル(ルームランナー)でもできるのでは?と考えたわけです。
我が家は平屋を改築して屋根裏に2部屋増築されている住宅なのですが、2階に上がる階段を取り付けられた1階の奥の部屋が、通路とも部屋とも言えない半端なスペースになっています。そこでこのスペースをホームジムとして利用し、悪天候で外を走れない時のために小型のトレッドミルを置いてあります。私のノートパソコンは裏返すとタブレットとしても使えるタイプなので、裏返してこのトレッドミルのコントロールパネルに縛りつければ、キーボードやタッチパッドは使えないけれどウェビナーの視聴には問題ないはず。というわけで、早速実行してみました。
JITFのセッションは長さが1時間半から2時間を超えるものまであり、1セッション聴講するだけで7,000から10,000歩近く歩くことができて良い運動になりました。午後の眠くなる時間帯でも、せっせと歩いていれば眠くならないのは大きな利点です。
短所は、使ったノートパソコンが10.1型の小型機なので、スライドに小さめのフォントでぎっしり情報が詰め込まれているタイプのウェビナーではトレッドミルを止めるかスローダウンして顔を寄せないと読めないこと。また、カメラとマイクをオンにしている時は、歩くと頭が上下するのがカメラに映るしマイクがトレッドミルの音を拾ってうるさいので、他の参加者に迷惑になってしまうため、視聴者参加型のワークショップでは使えません。
でも一方的に視聴するだけなら問題ないので、その後もウェビナーやMOOCの動画は歩いて視聴するのが習慣になりました。テレビ番組のストリーミングも試してみましたが、こちらは画面が小さすぎてあまり楽しめないのであきらめ、勉強用と割り切ることにしました。ウェビナーの他にもYouTubeでサステナビリティ関連の動画を見たりポッドキャストを聴いたりしながら、できるだけ毎日トレッドミルで歩くようにしています。最近は、ウォーキング用にオーディオブックに会員登録してもいいかなと思っているところです。