前回は選挙結果について書きましたが、選挙の1週間後の5月13日は、当選した議員129人の初登院日でした。議員になったらまずしなければならないのは宣誓です。スコットランドも含め英国では、国家の元首であるエリザベス女王に忠誠を誓わないと議会に参加できません。宣誓には宗教バージョン(Oath)と無宗教バージョン(Affirmation)があって、選ぶことができます。
面白いのが、宣誓を多言語で行えること。英語での宣誓は必須となっていますが、希望する人は英語の宣誓の後に、好きな言語を使って同じ内容の宣誓を繰り返すことができます。
1999年にスコットランド議会が設立された当初から、英語に加えてスコットランドの土着語であるスコットランド語(Scots)やゲール語(Gaelic)で宣誓する議員はいましたが、今回は議会の多様性向上を反映して宣誓の言語も増え、メディアでは「まるで国連のよう」と報じられました。
スコットランド語やゲール語はもちろん、非白人議員が家庭で使っているウルドゥー語やパンジャーブ語で宣誓したほか、ウェールズ人議員がウェールズ語で、ドイツ人の母を持つ議員がドイツ語で、子供時代にケベックで育った議員がカナダ・フランス語で宣誓。ジンバブエ生まれの議員はショナ語を選択しました。また、出身や育ちとは関係ない選択をした人もいて、パキスタン系ながらアラビア語での宣誓を選んだ議員もいました。今回特に注目されたのは手話(British Sign Language, BSL)で宣誓した議員。お父さんがろうあ者なのだそうです。
下はBBCニュースの動画です。