先日、インボックスにこんなメールが届いていました。
Lendwithcareは、Care Internationalという国際援助団体が運営している、クラウド型マイクロファイナンスプログラムです。Care Internationalは1945年に米国で設立された団体ですが、Lendwithcareは英国支部であるCare International UKが立ち上げた制度で、2010年に生まれました。
マイクロファイナンスとは、貧困層向けに特化した小口金融サービスのこと。通常、信用リスクが低い低所得者は従来の金融機関にはアクセスできず、高利貸し等に頼るしかないという悪循環になりがちですが、貧困緩和を目的として資金を貸し付け、経済的自立を支援する目的で生まれたのがマイクロファイナンスです。その草分けであるバングラデシュのグラミン銀行創立者ムハマド・ユヌスが2006年にノーベル平和賞を受賞したことで注目をあびるようになりました。
私がLendwithcareについて知ったのは新聞か雑誌の広告だったと記憶しています。最初に利用したのは2018年でした。Lendwithcareのサイトに行くと、融資を募集中の個人や団体のリストが出てきます。誰に融資するかはユーザーの自由。金額も自由に選べます。私は対象を女性に絞り、事業内容を見て支援したい人を選び、日本円にして数千円程度の額を貸しています。募集額が全額集まったら借り手はその資金を利用して事業を行い、収益の中から少しずつ定期的に返済していきます。返済されたお金はLendwithcareのアカウントに課金され、借り手が完済すれば全額がアカウントに戻ってきます。もちろん引き出すこともできるのですが、私は次の融資先を探して貸すようにしています。
Lendwithcareを通した融資では利子がつくわけではないので運用益は出ませんが、手数料もかからないので融資額の全額が借り手の手元に届きます。チャリティ団体への寄付と異なり、資金の行き先や使途がはっきりしている点、一度アカウントに入れたお金を何度も繰り返し活用できる点が大きなメリットだと思います。今回は返済完了の通知が来たのは、アカウントを作ってから6回目の融資でした。アカウントに戻ってきた額は、早速新しいグループに貸しました。
なお、Lendwithcareでは融資(loan)の他に助成(grant)制度もあります。こちらはもちろん返済されませんが、助成対象は炭素排出量削減プロジェクトなので、個人カーボンフットプリントのオフセットに活用することができます。こちらもオフセットの具体的な内容がはっきりしている点が魅力です。