先日読んだ本を紹介します。
Project Tokyo 2010でのプレゼンで、1990年に導入された欧州指令 “The minimum safety and health requirements for work with display screen equipment” (ディスプレイスクリーン機器使用作業に関する安全衛生上の最低必要条件)について紹介しましたが、その後の取材の中で、日本にも同様の文書があることがわかりました。2002年に厚生労働省が発表した「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」)です。このガイドラインは厚生労働省のサイトに掲載されていますが、その策定の背景や経緯、ガイドラインの内容をわかりやすく紹介しているのがこの本、現代のコンピューター労働と健康 (働く者の労働安全衛生入門シリーズ)です。
著者の宮尾克教授はコンピューター労働と健康問題の研究が専門で、この問題に関する厚生労働省の検討会委員も務めたという経歴の持ち主だそうです。
内容は読みやすいようコラムやイラストをたくさん取り入れている上、後半は資料集になっているので本文の量は多くなくさっと読めてしまいますが、この資料集がなかなかのお役立ち。ガイドラインの全文が解説付きで掲載されているほか、労働安全衛生総合研究所というところで出している「パソコン利用のアクション・チェックポイント」というパンフレットが転載されていたり、コンピューター作業の前、作業中の休憩時、作業終了後に行う体操がイラスト付きで載っていたりと、実践に役立つ情報がたくさん盛り込まれています。
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