果樹園(orchard)の定義は「果樹が5本以上あること」って、ご存知でしたか? 私は知らなかったのですが、夫がある日どこかから仕入れてきた知識です。
最近英国では都市果樹園(urban orchard)というコンセプトが広がっているそうで、我が町ダンディーにもコミュニティ果樹園があちこちにあるようです。その話を聞いた夫が、「うちにも果樹園があったらいいよね、果樹が5本あれば果樹園なんだよ」と言い出しました。
ガーデニングは私の担当で、夫は私の作業の成果を楽しむだけなのですが、たまにこうやってリクエストを出してくることがあります。リクエストにはできるだけ応えたいものの、果樹園を作るスペースがあるほど広い庭ではないし、さてどうしたものか、しばし悩みました。
果樹を狭いスペースで育てるための方法として、コルドン( cordon)仕立てという剪定の仕方があります。自然のままのリンゴの木は主幹から枝分かれしていきますが、側枝を短く剪定して幹1本だけの状態にしてしまうのです。通常は下図のように、花付きを良くするために45度くらいの角度に傾けて植え、一列に並べてフェンスのように仕立てるのですが、調べたところ、収量にこだわらないなら柱状に直立させて植えることもできるのだそうです。
画像: Quercusrobur, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
そこで、直立コルドン仕立ての木を円形のスペースを取り囲むように並べたミニ果樹園を庭のデザインに組み込むことにしました。5本以上ないと果樹園とは呼べないというので、1本枯れてしまっても大丈夫なように念のため6本購入。最初はリンゴにナシ、プラム、サクランボなどいろいろ植えようかと思ったのですが、夫はリンゴ園にこだわりがあるようで、結局6本ともリンゴになりました。
画像:リンゴを購入したPomona Fruitsのカタログ
寒冷地では実があまりならない品種も多いので、カタログから「寒冷地でもOK」という記載がある以下の品種を選び、取り寄せました。
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- Discovery
- Fiesta
- Katy
- Red Windsor
- Scrumptious
- Sunset
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果樹は鉢に入った状態でも買えるのですが、冬には安い裸苗が出回るので、数が多いこともあり裸苗にしました。到着したのは、12月の寒い日。裸苗はすぐに植えないといけないので、あっという間に日が暮れる午後、寒風に吹かれながら6本の木を植えました。
裸の細い幹が突き立っているだけで今はとても果樹園には見えませんが、数年後には美味しい採りたてのリンゴが収穫できるといいなと期待しています。
分かりにくいですが、円形に植えた6本のリンゴ。アルミの支柱が目印